AIM-54フェニックスは米海軍の要求により1960年から開発が開始された艦隊防空用長距離空対空ミサイルである。当初は海軍に採用される予定だったF-111用として開発されていたがF-111は海軍では採用されなかったため、その後開発されたF-14専用装備となった。 誘導方式は初期〜中間がセミアクティブレーダー誘導、終端がアクティブレーダー誘導で、後に慣性誘導装置が搭載され、初期誘導に慣性誘導が使用される様になった。 試験射撃ではかなり高い命中精度を示し、距離4kmから203kmで目標撃墜に成功、またMiG-25を想定した高度25kmを飛行するマッハ2.2の目標や巡航ミサイルを想定した高度15mをマッハ0.75で飛行する目標も撃墜した。8Gで機動中の無人機に17G旋回で命中し、ECM環境下での迎撃にも成功、6目標に対し6発を発射して4発命中(標的機1機とミサイル1発が故障)という成績も残した。 ▲F-14は最大6発のフェニックスを搭載可能 米海軍はF-14と共に40年間フェニックスを運用していたが実戦ではほとんど使用されることはなかった。 フェニックスは高性能だが非常に高価であり、イージス艦の登場により艦隊防空を航空機に任せる必要が無くなったために米海軍は2004年に本ミサイルの運用を終了した。 スペック
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