AIM-7スパローはアメリカが開発した中距離空対空ミサイルであり、サイドワインダーと並んで西側の代表的ミサイルである。 開発は海軍の要求で1946年から始まり、1956年に実用化された。元々は爆撃機に対する要撃を目的に開発されたため、戦闘機の様な高速な小型目標に対しての命中は期待出来なかった。そのためベトナム戦争初期の撃墜率は1割にも満たなかった。 これを教訓としてベトナム戦争後期には運動性能を大幅に向上させたAIM-7Eが開発され、4人のエースパイロットを輩出した。 湾岸戦争時に使用されたAIM-7Mでは信頼性とECCM能力が大幅に向上しており、湾岸戦争で撃墜された機体のほとんどはスパローによるものだった。AIM-7Mは航空自衛隊でも採用されているタイプである。 ▲空自のF-15に搭載されたAIM-7Mスパロー スパローの誘導方式はセミアクティブレーダーホーミングであり、これは母機が目標にレーダー照射し、ミサイルがその反射波をたどっていくというものである。この誘導方式は発射から命中までロックオン(レーダー照射)し続けなければいけないため、その間母機は無防備になってしまうと言う欠点がある。 また、反射波を利用するという特性から、母機のレーダー出力や敵機のRCS次第で射程距離も制限されてしまう。例えばスパローは飛翔距離的には100km程度の目標に到達可能だが、誘導方式の制限上それができるのは輸送機などの大型機の場合に限定されてしまうのである。 現在では米空軍の中距離空対空ミサイルはAIM-120AMRAAMに遷りつつあるが、スパローは多くの国に輸出されているため、諸外国では今後もスパローが主力として活躍していくであろう。 スペック(AIM-7M)
|