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兵器簡易用語集


ここに載せているのはMILITARYページのマウスオーバーポップアップで表示されるデータを簡易用語集として書き出した物です。そのため不自然な所で改行されたりしていますがご容赦下さい。


[AIFF]
Advanced IFFの略で先進敵味方識別装置のこと。
IFFの機能をレーダーから独立させることでレーダー機能との併用が可能となり、
味方の交戦状況を把握するような使用法が可能となった。
F-16の場合は5枚のブレードアンテナが並ぶが、F/A-18E/Fではフェアリングで覆っている。

[APDS]
Armor Piercing Discarding Sabotの略で装弾筒付徹甲弾のこと。
弾体自体は普通の徹甲弾だが、貫通力を上げるために砲口径よりも直径を小さくしたもので、
発射直後に外れる装弾筒を付けることで、これを発射できるようにしたもの。

[AP弾]
Armor Piercingの略で徹甲弾のこと。

[AWACS]
Airborne Warning and Control Systemの略で早期警戒管制機のこと。
旅客機などを改造して大型のレーダーを搭載した機体で、空の目となり友軍航空機の管制を行う。
代表的な機体は米国のE-3Cや日本のE-767など。AWACSはエイワックスと読む。

[BVR]
Beyond Visual Range、目視外距離のこと。

[C4I]
指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピュータ(Computers)、情報(Intelligence)の略で、
コンピュータや通信技術用いた情報化により軍隊の戦闘力を飛躍的に強化するという考え方。
具体的には、GPSを用いた自己位置の把握とデータリンクによる敵味方位置情報のリアルタイムでの共有化など。

[CAD/CAM]
Computer Aided Design(コンピューター支援設計)
Computer Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)
航空機分野ではダッソー社の3DCADソフト「CATIA」が主に用いられる。

[CCIP]
Continuously Computed Impact Point、弾着地点連続計算。
無誘導爆弾の攻撃モードの一つで、着弾地点がHUDに表示され、
目標と重なったときに投下すると命中する。
ゲーム「エースコンバット」では無誘導爆弾はこのモードである。

[CCRP]
Continuously Computed Release Point、投下地点連続計算。
無誘導爆弾の攻撃モードの一つで、投下指示を出して目標上空を飛ぶと
自動的に目標に当たるタイミングで投下してくれる。

[CFRP]
Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスチック)の略。
FRPの一種でプラスチックに炭素繊維を編み込んで作られた複合材料。
鉄の1/5の重量でありながら剛性、強度共に鉄鋼材料を上回るため、近年の航空産業で多用されている。

[ECCM]
Electric Counter-Counter Measuresの略で電子妨害対抗手段のこと。
レーダーや通信においてジャミングに対抗する代表的な手段としては
周波数を即座に変化させる周波数ホッピングや、
複数の周波数を同時使用するスペクトル拡散などが用いられる。

[ECM]
Electronic Counter Measuresの略で、電子妨害手段のこと。
電子機器へのジャミングを行う装置。

[ERA/爆発反応装甲]
対HEAT弾用の反応装甲の一種で、Explosive Reactive Armourの頭文字を取ってERAとも呼ばれる。
二枚の金属板の間に炸薬をサンドイッチした構造で、被弾すると爆発して外側の金属板を飛ばし、弾頭の貫徹力を阻害する。
RPG-7などのHEAT弾頭に対して高い効果を発揮するが、動作時に周囲の歩兵などを巻き込むと言う欠点がある。

[ESM]
Electric Support Measuresの略で、電子支援手段の事。
敵が出す各種電波を受信・分析し、方位・距離・位置・機種等を推定する手段・装置。

[FBCB2]
Force XXI Battle Command Brigade and Below(旅団・配下部隊用フォース21戦闘指揮システム)の略。
米陸軍の戦術インターネットを構成するシステムの一つで、司令部から各兵士・兵器レベルにまで戦術情報を提供する。
端末のデジタルマップに敵味方位置情報が表示され、各種情報の共有や補給要求なども行うことが出来る。

[FCS]
Fire Control Systemの略で、火器管制装置のこと。

[FLIR]
Forward Looking Infra-Red(前方赤外線画像監視装置)の略。
前方の物体の放射する赤外線を映像化する装置の総称で、
夜間や悪天候時の目標照準、航法などに使用する。フリアと読む。

[GPS/全地球測位システム]
Global Positioning Systemの略語。全地球測位システムと訳され、一般にもカーナビ等で有名である。
米国が打ち上げたナブスター衛星30個のうち、上空の数個から信号を受信し三次元測位で位置を算出する。
民間で使用出来るコードでは誤差10m程度だが、軍用の物は誤差16cm程度と非常に精度が高い。

[G]
Gは加速度の単位で、重力加速度を1Gとした時の加速度を表す。
普通の人は4〜6Gで失神するというが、訓練されたパイロットが耐えられる限界が9Gと言われている。
9Gというと通常の9倍の重力で押しつぶされるのと同じ状態で、
この状態になると呼吸もままならず、訓練されたパイロットでも失神寸前になる。

[HEAT/成形炸薬弾頭]
対戦車榴弾(High Explosive Anti Tank)または成形炸薬(Shaped Chage)と呼ばれる、対戦車用弾頭。
炸薬を円錐形状に配置し、モンロー/ノイマン効果によって爆発エネルギーを一点に指向させ、
金属製のライナーを高温・高速のメタルジェット(流体金属)に成形することで装甲を貫通する。
弾頭直径の5〜8倍の厚さの装甲板を貫通することが出来るため、様々な対戦車兵器に使用されている。

[HEP/HESH弾頭]
High Explosive Plasticの略で、粘着榴弾と呼ばれる。
信管が弾体後部にあり、着弾するとその名の通りプラスチック爆薬が装甲表面に張り付いたあと爆発する。
爆発の衝撃波が装甲を伝わり、装甲の内側が剥離することで内部にダメージを与える。

[HE弾頭]
High Explosiveの略で、炸薬を詰めただけのいわゆる普通の榴弾。
炸薬には主にTNTやコンポジション爆薬が使用され、爆発時の破片や爆風で被害を与える。

[IFF]
Identification of Friend or Foeの略語で、敵味方識別装置のこと。
特定周波数の信号に反応するかどうかで敵味方を識別する。

[INS/慣性航法装置]
Inertial Navigation System(慣性航法装置)の略。
ジャイロセンサーや加速度センサーによって得られた値を1回積分すると速度、2回積分すると移動距離が算出され、
出発地点の位置情報と合わせれば現在位置が分かるという物である。
妨害などを受けることがないが、時間が立つにつれ誤差が生じるため、GPS等と組み合わせて使用されることが多い。

[IRST]
InfraRed Search and Trackの略で、赤外線捜索・追尾装置の事。
赤外線センサーを用いて航空機を捜索、追尾する装置で、レーダーのように敵に発見される恐れがない。
単体では相対角しか分からないが、レーザー測距装置や僚機のデータと組み合わせることにより、相手の位置も求めることが出来る。

[JDAM]
Joint Direct Attack Munitionの略で、直訳すると統合直接攻撃弾薬。ジェイダムと読む。
米国のGPS/INS誘導爆弾で、安価で精度も良く、使い勝手が良いため最もよく使われる誘導爆弾である。
投下後は人工衛星と内蔵ジャイロにより事前に設定した座標に自動的に誘導される。

[LANTIRN]
Low-Altitude Navigation Targeting Infra-Red for Night(夜間低高度航法及び目標捕捉赤外線システム)の略。
航法用のAN/AAQ-13と照準用のAN/AAQ-14の二つのポッドで構成されており、
第一世代FLIR、地形追随レーダー、レーザー照準装置により夜間の攻撃及び低高度進入を可能とする。

[LOAL]
Lock-On After Launch、発射後ロックオンのこと。
ミサイルのシーカーは目標をロックオン出来ないが、発射母機が目標の位置を把握している場合、
慣性誘導などによってミサイルの捕捉範囲内まで誘導してからシーカーにロックオンさせる方式。
対義語にLOBL:Lock-On Before Launch(発射前ロックオン)がある。

[MAT]
対戦車ミサイルの陸自式の呼び方。「マット」と読む。
普通は対戦車ミサイルはATM(Anti Tank Missile)だが、
「アトム=原子爆弾を連想してしまうのでは」
という懸念からこう呼ぶようになり、そのまま今に至る。

[RCS]
Radar Cross Section(レーダー有効反射面積)、RCSと略す。レーダーにどれだけ反射するかを数値で表したもの。
単位は面積で表されるが、1平方メートルの金属板のRCSは14000平方メートルで、何か直接の面積を表しているわけではない。

[RHA/均質圧延装甲]
Rolled Homogeneous Armourの略で、1940年頃から一般的に使用されるようになった装甲用防弾鋼板。
成分的には炭素鋼(スチール)にニッケル、クロム、モリブデン等を加えた合金で、
加熱してロールで2方向に引き延ばし(圧延)することで強度を均質化している。
防弾鋼板として一般的なため、兵器の攻撃力や防御力の指標としても用いられている。

[SAM]
Surface to Air Missleの略で地対空ミサイルのこと。
Ship to Air Missleの略で艦対空ミサイルのことを指す場合もある。

[SEAD]
Suppression of Enemy Air Defenseの略で敵防空網制圧任務のこと。
敵レーダー施設やSAMサイトを対レーダーミサイルなどを使用して破壊することが主な目的で、
任務の性質上非常に危険度が高いミッションでもある。

[STOL]
Short Take-Off and Landing、短距離離着陸のこと。

[TVC/推力偏向制御]
Thrust Vector Controlの略語で排気ノズル部にベーン(板)などを取り付けて直接噴流の向きを変えて弾体を制御する技術。
発射直後の低速時や高迎え角時でも高い運動性能を確保することが出来る。

[アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー]
Active Phased Array Radar、APARとも略される。平面上に並べられた多数のアンテナから構成されるレーダー。
各アンテナモジュールの位相をコンピュータによって制御することで、
アンテナを機械的に動かすことなく広範囲を一瞬で走査したり多目標を追尾することが可能。
米国ではAESA:Active Electronically Scanned Arrayと呼ばれる。

[アクティブレーダー誘導]
シーカー部に小型のレーダーを搭載し、自ら目標を探知、追尾する誘導方式。

[アフターバーナー]
Afterburner(アフターバーナー)、A/Bと略す。排気にもう一度燃料を吹きつけて燃焼させ、高推力を得る装置。
ドライ時の1.5倍程の推力を得られるが、燃費が極端に悪くなるため長時間の使用は出来ない。

[アヴィオニクス]
Aviation(航空機)とElectronics(電子工学)を合わせた造語、Avionics。
航空電子機器全般を表す。

[オールアスペクト能力]
目標の全方向からロックオン出来る能力のこと。
以前の赤外線誘導では排気ノズルがある目標後方からしか捕らえることが出来なかったが、
赤外線センサーの冷却などにより感度が上がり、前方からでも熱放射を捕らえることが可能となった。

[オフボアサイト能力]
Off Boresight、直訳すれば砲口外照準。
正面から離れた目標に照準・攻撃出来る能力のこと。

[カナード翼]
主翼前方に装備されている小翼のこと。先尾翼。

[キャニスター弾]
対人用の散弾で、砲口射出後に多数の小径の鋼球を広範囲にばらまく。
戦車砲を用いたショットガンと考えると分かりやすい。

[クロースカップルドデルタ]
デルタ翼とカナード翼を組み合わせた翼面構成。
低速時や大迎え角時であってもカナード翼から発生する渦流によって
主翼面で揚力が生まれるため、STOL性能や運動性能に優れる。

[コンフォーマル・タンク/CFT]
Conformal Fuel Tank、CFTと略す。
機体密着型増加燃料タンクの事で、ドロップタンクのように飛行中に捨てることは出来ないが、
ドロップタンクに比べ遙かに抵抗が少なく、飛行性能にほとんど影響を与えない他、
ハードポイントを使用しないためより多くの兵装及び燃料を搭載することが可能となるという利点がある。

[サーモバリック弾頭]
燃料気化爆弾(FAE)の後継として開発された、気体爆薬。FAEは液体燃料をばら撒いて点火するが、
サーモバリック弾頭では粉末の固体燃料や金属粉を散布して爆発させる。
通常の爆薬のように破片で被害を与えるわけではなく、熱と圧力によって敵兵を殺傷する。
そのためボディーアーマーなどでは防げず、塹壕や建物内など閉所の敵に有効である。

[シュートダウン能力]
自機より低高度の目標をミサイルによって攻撃出来る能力のこと。
ルックダウン能力が必要となる。

[スーパーチャージャー]
エンジンの出力軸を介して過給器を動かしてエンジンの吸気量を増大させ出力を高める装置。
ターボチャージャーと比べて応答性が良く、低回転域でも効果が高いが、効率面で劣る。

[スタンドオフ兵器]
Standoff Weapon。相手の射程外から攻撃出来る長射程兵器のこと

[ストレーキ]
主翼の前縁を前方に拡張したもので、Leading Edge eXtensionsの略でLEXとも呼ばれる。
ストレーキが発生させた渦流が主翼に干渉し翼端失速を押さえるため、
低速時や大迎え角時でも優れた操縦性を生み出す。
同様の効果はカナード翼+デルタ翼機にも見られるが、ステルス性と言う面ではこちらが勝る。

[スナイパーXR]
米空軍の第三世代照準ポッドで、正式名称はAN/AAQ-33。輸出用にPanteraという名称も持つ。
第3世代FLIR、CCDカメラ、自動追尾/照準レーザー照射器をワンセットにしており、パッシブ空対空探知・追尾機能も備える。
FLIRの解像度は640×480でLANTIRNの3〜5倍の探知距離を持ち、JDAMへ正確な目標設定も可能。

[スラット・アーマー]
鳥かごや檻のような形状を持つ対RPG-7用装甲で、ケージ・アーマーとも言う。
車体から少し離れた位置に装備され、着弾時にRPGを引っかけて成形炸薬のスタンドオフを狂わせて威力を削ぐ。
また、格子の隙間間隔はRPGの信管をショートさせて動作不良を誘発させる距離となっている。

[セミアクティブレーザー誘導]
射手が目標にパルス・コード化されたレーザーを照射し、
その反射波をミサイルが捕捉し追尾する誘導方式。

[セミアクティブレーダー誘導]
発射母機のレーダーにより目標にレーダー照射し、
その反射波をミサイルが捕らえて追尾する誘導方式。

[ターボシャフトエンジン]
ジェットエンジンの一つで、出力のほぼ全てを回転軸を回す事に使用する。
主にヘリコプターの動力源として使用されるが、戦車や船舶に使用されることもある。
排気流で推力を得るわけではないので単にガスタービンエンジンと呼ばれる事も多い

[ターボジェットエンジン]
流入した空気を圧縮し、燃料と混合して燃焼させ、
その排気流で推進力を得るという、最も基本的なジェットエンジンである。
排気流速が機体速度に比べ速すぎるため効率が悪く、
現在ではターボファンエンジンが主流となっている。

[ターボチャージャー]
排気を利用してタービンを回し、それによって過給器を動かしてエンジンの吸気量を増大させ出力を高める装置。
本来捨てられるはずの排気のエネルギーを回収出来るため効率が良い。

[ターボファンエンジン]
ジェットエンジンの一種で、ターボジェットエンジンの吸気口にファンを取り付けて、
流入空気の一部を燃焼室を通さずバイパス(迂回)させたもの。
バイパスされた空気と燃焼した空気を混合し、排気流速を機体速度に近づけることで効率を高めている。

[ドップラー航法装置]
レーダーを使用しドップラー効果によって対地速度を算出、
それを積分することで移動距離を算出し航法に使用する装置。

[ドラッグシュート]
機体後部に取り付けられる減速用パラシュートのこと。
着陸滑走距離を短くするために使用される。

[バイパス比]
ターボファンエンジンにおいてファンから取り入れた空気の内、
燃焼させずにそのまま通過する空気量と燃焼させる空気量の比をバイパス比と呼ぶ。
バイパス比が高いほど燃費が良く、バイパス比が低いほど高速飛行に適したエンジンとなる。
そのため旅客機などではバイパス比7〜10と非常に高い物が使われるが、
戦闘機用では速度特性を重視しバイパス比1以下の物が用いられている。

[バルカン砲]
米ゼネラル・エレクトリック社のM61 20mmガトリング砲の製品名。
6つ砲身を持ち、毎分6000発の連射速度を誇る。

[フォーカル・プレーン・アレイ]
光センサーを同一焦点面上に多数並べて作られるイメージセンサーのこと。
Focal Plane Arrayの頭文字を取ってFPAとも呼ばれる。
デジタルカメラのCCDやCMOSもFPAの一種だが、大抵は赤外線イメージセンサーのことに関して使う。

[フライ・バイ・ワイヤ]
Fly By Wire、FBWと略すこともある。
操縦操作を電気信号に変換して電動アクチュエータに伝え、機体をコントロールする飛行制御システム。
従来の油圧式に比べ軽量で故障が少なく、コンピューター制御により高度な飛行制御が可能。

[ヘッドアップディスプレイ/HUD]
Head Up Display(ヘッドアップディスプレイ)、HUDと略す。
コクピット正面の透明の板に各種情報を投影することにより、視界を外すことなく情報を得ることが出来る。

[ヘッドマウントディスプレイ]
Head Mounted Display(ヘッドマウントディスプレイ)、HMDと略す。
HUDの場合正面の限られた範囲でしか情報を見ることが出来ないが、
HMDはヘルメットのバイザーに直接投影することで、パイロットがどこを向いていても情報を得ることが出来る。
戦闘機用の物はヘルメットの向きをセンサーで感知し、パイロットの向いた方向への照準操作も行える、
JHMCSやHMS等のヘルメット装着式照準装置も開発されている。

[ポストストールマニューバー]
Post-stall maneuver 。日本語で失速後機動と訳される、従来機ではおおよそ不可能だった機動。
代表的な物にコブラやフック、クルビットなどがある。

[ミニガン]
GAU-2 7.62mm6砲身ガトリング砲の事。
M61バルカン砲をスケールダウンした物なので、ミニガンという愛称がついた。

[ユニットインジェクタ]
燃料をカムによって圧縮するプランジャと燃料を噴射するノズルを一体化させたもの。
最近のディーゼルエンジンでよく使われるコモンレール方式と比べても、非常に高い圧力で燃料を噴射することが可能で、
燃料と空気を混合させる効率が向上し、高燃費、高効率化が可能となる。

[ライセンス生産]
製品開発元にライセンス料を支払い、代わりに技術的な支援を受けて全く同じ物の生産を行う形態。
兵器においては予備部品の調達を自国で行えるため、稼働率を維持しやすい他、技術やノウハウを獲得出来ると言うメリットがある。

[ラムジェットエンジン]
ラム圧により圧縮された空気を燃料と混合し燃焼させるジェットエンジンの一種。
音速以上の速度域では、空気をただせき止めるだけで大きな圧力が発生する。
これをラム圧といい、これを利用したラムジェットエンジンは通常のジェットエンジンのように
圧縮機やタービンが必要ないため、非常に簡素な構造となる。
構造上低速では動作せず、一般的にマッハ2〜5程度の速度が必要となる。

[リンク16]
NATO標準の戦術データリンクシステムの一つで、主に空軍と海軍で運用されている。
統合戦術情報分配システム(JTIDS/MIDS)を利用してUHFによるリアルタイムでのデジタルデータ及び音声通信を行い、
AWACSや艦船、司令部などの上位レベルから戦闘機などの下位レベルまで、目標情報や敵味方情報を共有し、ネットワークを形成する。
スペクトル拡散、周波数ホッピング技術と暗号化により秘匿性が高くジャミングにも強い。

[ルックダウン能力]
自機より低高度で地面を背景にした目標を探知する能力のこと。
地上からの反射波をドップラー効果を利用して除去し、目標を識別する。
ルックアップ時に比べ探知距離は30%程減少すると言われる。

[レイド・アセスメント]
密集編隊に対してその中の個別目標を捕捉する能力。
従来のレーダーでは密集編隊は一つの大きな目標としてしか捕らえることが出来なかったが、
レーダーの解像度向上により個別目標を識別出来るようになった。

[可変ノズルターボチャージャー]
ターボチャージャーの一種で、タービン入口のノズル開口面積を
エンジンの回転数・負荷に応じて制御することで、エンジン全域で最適な加給効率を得るというもの。

[滑腔砲]
砲身内にライフリング(螺旋溝)が切られていない砲のこと。
ライフリングによって弾体を安定させることが出来ないAPFSDS弾や、
回転によって威力が低下するHEAT弾と相性が良く、最近の戦車砲の主流となっている。

[慣性誘導]
慣性航法によって、目標の地点に誘導される誘導方式で、追尾誘導でないため自律誘導とも呼ばれる。
ミサイルに取り付けられたジャイロ・加速度センサーによって自機の位置を測定し、設定された座標に誘導される。
慣性誘導は誤差が大きいため、終末誘導には別の誘導方式が用いられる。

[迎え角]
Angle of Attack、AoAと略す。
空気の流れに対して機体がどれだけ傾いているかを表す角度

[撃ち放し/Fire and forget]
ミサイル発射後に射手が誘導する必要がない事。そのため射手は即座に退避することが可能。
ミサイル自身が自律的に目標を追尾するタイプの誘導方式の場合この能力を持つ。

[合成開口レーダー/SAR]
Synthetic Aperture Radar、略してSARと呼ばれる。レーダーはアンテナ直径(開口)が大きいほど高解像度になるが、
移動しながら得たレーダー波を合成することで、擬似的に巨大なレーダーを実現するのがSARである。
SARによって得られる高解像度のレーダー波を用いると、光学カメラで見たような三次元的画像を生成することが出来る。

[指令誘導]
慣性誘導の目標座標をデータリンクによって断続的にアップデートすることにより、
移動目標に対しての誘導精度を上げる方式。

[出力重量比]
出力を重量で割った値で、パワーウェイトレシオとも言う。
単位重量あたりのエンジンの出力を示しており、機動力の指標として用いられる。

[赤外線画像誘導]
赤外線イメージセンサーによって捕らえた画像のコントラスト差から目標を識別し、追尾する誘導方式。
従来の赤外線誘導方式と比べると捕捉距離が長く、フレアなどの妨害の影響もほとんど受けない。

[赤外線誘導]
目標の赤外線放射を捕捉し追尾する誘導方式。主に短距離空対空ミサイルに使用される。
シーカーの構造としては、レティクルと呼ばれるスリットの入った円盤を高速回転させ、
ミサイル中心軸から目標がずれるとシーカーに入る赤外線が点滅するようになっており、
その周期と位相から目標の角度、中心からのズレを検出しミサイルを制御する。
最近の物はガスでシーカーを冷却したり、紫外線領域との2波長化により性能を向上させている。

[中空装甲]
二枚の装甲板を間隔を挟んで配置した装甲。サイドスカートなどもこれに当たる。
主に成形炸薬弾に効果があり、一枚目の装甲で弾頭を起爆させ、二枚目までの空間がHEATのメタルジェットを減衰させる。

[避弾経始]
装甲を傾斜させることで、被弾時に弾を弾いて回避すると言う考え方。

[複合装甲]
複合装甲(Composite Armour)は複数の材質を重ね合わせて作られた装甲で、積層装甲(Laminate Armour)とも呼ばれる。
一般的には装甲鋼板にセラミックスやチタン、複合材などをサンドイッチし積層した構造となっている。
徹甲弾、HEAT弾両者に対して非常に高い防御能力を持ち、第三世代戦車の正面装甲として採用されている。

[劣化ウラン]
核分裂を起こさないウランのことで、Depleted Uraniumの頭文字を取ってDUとも呼ばれる。主成分はウラン238。
核燃料などに使用されるウラン235は天然ウランに0.7%程度しか含有せず、これを取り出す際に大量に劣化ウランが発生する。
タングステンより密度が高く非常に硬い重金属で、着弾時に自然発火、燃焼することによる焼夷効果を持ち
さらに装甲板を貫通する際に断熱せん断によって鋭利化する特性があるため、貫徹体として非常に優れた材質と言える。
放射線量は極めて微量であるが、着弾時の粉塵を人間が吸い込むと被爆する恐れがある。





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