▽TOP

▽ARMORED CORE

▼MILITARY

▽BBS

▽リンク

▽サイトについて
99式空対空誘導弾(AAM-4)

AAM-4

航空自衛隊がスパローの後継として開発した中距離空対空ミサイルで、通称AAM-4と呼ばれる。
開発当時AMRAAMはNATO加盟国にしか供与されないのではと懸念されていたのと、搭載兵器を全て国産化したいという思惑があったため、比較的早い段階から研究開発が行われていた。

誘導方式は初期〜中間誘導は内蔵ジャイロによる慣性誘導と発射母機からのデータリンクによる指令誘導、終末誘導には自身のレーダーによるアクティブレーダー誘導が用いられる。なお、中間誘導は僚機に引き継がせることも可能である。

LOAL(発射後ロックオン)の実現や、デュアル・スラスト・ロケットモーター(燃焼パターンを2段階に変化させるロケット・モーター)による燃焼時間の増大により射程がスパローの約2倍に上昇しており、アクティブレーダー信管と指向性弾頭により撃墜率も大きく上昇している。

発射試験ではターゲットドローンを4機同時に撃墜したり、巡航ミサイルに見立てたASM-2を撃墜するなど非常に高い命中精度を叩き出し、その他にも様々な試験が行われたがいずれも高い命中精度を示したという。
調達価格はやはり高めだが、それでも民生部品の多用によりライセンス生産AIM-7スパローよりも安く仕上がっている。

AAM-4

AAM-4はAMRAAMと同じアクティブレーダーホーミング式の撃ち放し式ミサイルであるが、AMRAAMは弾頭重量を抑えて小型、軽量化しサイドワインダーのランチャーを使えるなど汎用性を重視した設計に対し、スパローの置き換えが主目的なAAM-4は巡航ミサイルの撃墜も視野に入れて命中精度と威力を重視しており、サイズもスパローと同等となっている。同じ中距離空対空ミサイルでも、米軍と航空自衛隊での要求の差が現れる形となったのである。
AAM-4

指令誘導用電波をレーダー波に乗せるAMRAAMとは違い、新たに指令送信装置(J/ARG-1)を積まなければならないため、機体への搭載改修が進められている。2013年度末の時点で約50機のF-15Jが近代化改修され、AAM-4が運用可能となっているほか、F-2も28機分の搭載改修予算が確保されており、順次搭載改修が進められている。

AAM-4B
▲99式空対空誘導弾(改) AAM-4(B)
平成14年度から平成20年度にかけて改良型の99式空対空誘導弾(改)、通称AAM-4(B)の開発が行われた。
主な改良点としてレーダーがアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーに変更されており、送信出力も増大したため、探知能力が向上し、射程距離の増大や、巡航ミサイルのような小型目標への対処能力が大幅に向上している。自立誘導距離は従来の1.4倍に向上し、スタンドオフレンジ(発射母機離脱可能距離)も1.2倍に向上している。また、パルス・ドップラー・レーダーの構造上横行する目標を見失いやすいという問題があったが、新方式の信号処理システムによりそれも大幅に改善している。その他、ECCM能力も向上しており、信頼性が向上している。平成22年度から量産を開始しており、現在配備が進められている。
AAM-4B
▲AAM-4(B)の概要

スペック
製造 三菱電機
全長 3.66m
全幅 0.77m
直径 20.3cm
重量 222kg
誘導方式 中間誘導:慣性+データリンク
終末誘導:アクティブレーダー
最大射程(推定値) 100km程度
飛翔速度 マッハ4〜5
単価 約6500万円

Photo
Japan Ministry of Defence
TRDI

参考書籍等紹介
ミリタリーに戻る
TOPへ


Copyright (C) EAGLET(mobius) 2005. All rights reserved